きらら訪問看護ステーションのはじまり。

取締役:刑部登志子   

 在宅ケアとの出会いはロサンゼルスのホスピタルで看護師をしていたころです。当時、知り合いのファミリー宅に遊びのために伺っていた折、ナースが訪問してきたのです。そのご家族の患者様に対して、柔らかな雰囲気でお話を傾聴している姿を、まさに見たのです。それは、めまぐるしいCCUで勤務していた私にとって、とても不思議な体験でした。

 

 その後結婚をして東京都町田市に家族を持ちました。幸せな結婚生活は6人の子育てで、本当に大変な体験でした。しかし、充実と幸せに満ちた時間でした。

 

 ある時、家計状態が苦しくなり、どうしても工面しなければなりませんでした。近所に置いてある瓶を拾っては酒屋さんに渡したり、タッパー販売のため自宅に近所の人を集めて食事会をしたり、、様々なことをしました。そんな中、訪問看護という仕事が頭をよぎったのです。初めての在宅ケアで不安はありましたが、人と触れ合うことがとても好きな私にとってよい仕事であることがわかってきました。そして、町田市医師会で訪問看護の仕事を10年間経験してきました。 

 

 あるご利用者の在宅ケアの現場でのことです。危篤状態となり、緊急を要する事態となった折、患者様の「自宅で死にたい」という意思は尊重されず、指示により救急搬送されました。病院ではチューブや計測器につながれて息を引き取られました。在宅での終末期ケアのあり方を示すには、起業するしかないと考えました。

 

 当時、町田市の中で民間の訪問看護ステーションはほとんどない状態だったので、起業は難しいと言われていました。医師会の時にお世話になったあるドクターの一言で勇気が湧き起業を決心しました。しかし、資金調達や看護師職員を呼び寄せるにも、全く光がさしませんでした。いつしか訪問していた大企業社長の言葉を思い出しました。断られても100回は訪問すること。その言葉を信じて、100回お願いする覚悟で営業に回りました。しかし、100回も回らなくても成果が現れました。ついに、会社を立ち上げることができたのです。

   

 この13年間振り返ると、様々ありました。今でもめくるめく出来事が起きている最中です。しかし、2016年3月より町田市の受託事業、境地域障がい者支援センターがオープンしました。また新たな気持ちでこれからも、在宅での療養のあり方、その原点を振り返りながら、施設の運営にもその理念を通わせ、地域も自分もゆたかにすべく、今日も町田市を走り回っています。